「NT-鋼構造物の長寿命化システム」で、鉄塔をはじめとする鋼構造物の計画的な維持管理を行います。
今日、高度成長期に作られた社会インフラの高経年化対策が社会的課題となっています。こうした中で、私たちは、いち早く鋼構造物の長寿命化・メンテナンスに着目し、技術を磨いてきました。今では、独自の長寿命化システムの開発に成功し、既存鋼構造物の点検、補修、補強のご提案を積極的に行っています。
送電用中空鋼管鉄塔のメンテナンスを念頭に、「施設や設備を出来るだけ長く安全にご利用いただくにどうすれば良いか?」をテーマに掲げ、全社一丸となって研究開発を重ねました。この結果、「NT-鋼構造物の長寿命化システム」という、鋼管に対する画期的な維持管理手法の考案に成功しました。今では、多くの電力会社様などから大きな反響を得ています。
鉄塔の点検から診断、補修に至るまで、私たちは一貫した長寿命化サービスをご提供します。
主構造として鋼管を採用している、鉄塔などの鋼構造物の内面(裏面)は、密閉状態に近いため、内面全域の目視が非常に困難です。このため、鋼管内面の異常個所を正確に把握することが、お客様にとって大きな課題となっていました。私たちは、こうした課題を克服するために研究開発を重ねた結果、様々な部位の鋼管内面全域の正確な点検を可能とするカメラ点検装置を、独自に開発することに成功しました。
鋼管内面カメラ点検で検出された異常個所に対しては、独自開発の超音波診断装置を用いて、鋼管内面のめっき膜厚および鋼材の板厚を正確に計測します。内面めっき膜厚から鋼管内面の環境を推定したうえで、鋼材の板厚も踏まえて強度評価を行います。
従来は、鋼材の異常個所が発見された場合には、該当する部材全体を取り替えるほかなかったため、大規模な補修工事が必要でした。これに対して私たちは、長年の試行錯誤の末、異常個所のみを局所的に補修することで部材全体の取り替え工事を不要化する、部分ジンク補修装置を開発しました。この装置を用いた補修工法は、補修工事の大幅な負担軽減と既存材料の長寿命化を両立する画期的なものであるため、お客様から非常に好評価をいただいています。
高経年化が進んだ鉄塔を「NT-鋼構造物の長寿命化システム」にて点検、診断を行った結果、部分ジンク補修だけでは強度が十分に確保できないと判断した場合には、部材の補強や取替を行う必要があります。
私たちは、部材の補強、取替についても、最先端の治具と工法を考案することで、従来は対応不可であった既存設備の維持管理に大きく貢献しています。