溶融亜鉛めっきとは、鋼材の防錆処理の一種であり、溶融亜鉛めっき槽に鋼材を浸せきして鋼材表面に亜鉛の合金層を形成することで、鋼材の腐食を抑制するものです。溶融亜鉛めっきには、「保護被膜作用」と「犠牲防食作用」の2つの防食作用があります。
溶融亜鉛めっき施工後、亜鉛の合金層が空気中の酸素と反応して、酸化皮膜を形成します。この酸化皮膜は、緻密であるため空気や水を通しにくいことから、耐食性を大幅に向上させます。
仮に、溶融亜鉛めっき面に、鉄素地に至るキズが発生した場合でも、周囲の亜鉛がイオン化することで、鉄素地表面に酸化皮膜を形成します。このように、溶融亜鉛めっきは電気化学的に鉄を保護するため、腐食を居力に防止することができます。
耐用年数=亜鉛付着量(g/m2)÷ 腐食速度(g/m2年)× 0.9
※日本溶融亜鉛鍍金協会より。
1.優れた耐食性
鉄鋼表面に施工された溶融亜鉛めっき皮膜は、緻密な保護被膜と電気化学作用により、鉄鋼面を長期間腐食から守ります。
2.優れた経済性
特殊な環境を除き、大気中、海水中、土壌中にあっても保守工事なしで、長期間にわたって優れた防食効果を発揮いたしますので、他の防食法と比べ最も経済的です。
3.優れた密着性
溶融亜鉛めっき皮膜は、鉄素地と亜鉛との合金反応により密着しているため、衝撃や摩擦による剥離が滅多に起きません。
4.優れた均一性
溶融亜鉛めっき槽に浸せきするめっき方法であるため、複雑な構造物の内面や手のとどかないところまで、十分な厚さのめっき皮膜を作ることができます。
めっき工程
部材に付着している油脂・塗料類を除去するために加温した脱脂液に浸せきします。
部材に付着している脱脂液を除去します。
部材表面の錆・ミルスケールを完全に除去するために常温の塩酸に浸せきします。
部材に付着している塩酸を除去します。
フラックス皮膜を形成させるために加温したフラックス液に浸せきします。
部材表面に溶融亜鉛皮膜を形成させるために、約450℃に加温し溶融させた亜鉛浴の中に浸せきします。
部材の冷却及び溶融亜鉛を凝固させるために冷却水に浸せきします。
めっき外観の仕上げを行います。
溶融亜鉛めっきの注意事項
溶融亜鉛めっきは部材のすべての面に均一な亜鉛皮膜を作ることが特長ですが、構造によっては亜鉛やガスのたまりができますので設計時より湯抜き孔、ガス抜き孔を考慮してください。
湯抜き孔、ガス抜き孔についてまとめておりますので、必要な場合はお問い合わせください。
溶接スラグは酸洗では除去することができません。塗料も物によっては簡単に取り除けないものがあります。これらの部材をそのままめっきしますと不めっきになりサビが発生しますので溶接部材、塗料付着部材の後処理をしっかり行ってください。
特殊材質の鋼材をめっきする場合は連絡してください。 めっきできないもの、段取りによりきれいに仕上がるもの等があります。 また、亜鉛の付着について、基本的にJIS-H8641 HDZ55で行っておりますが鋼材の仕様により変わりますので事前にご相談ください。
委託めっきに関するお問い合わせ
日本鉄塔工業株式会社 若松工場 製品部 石村
TEL.093-761-2135
FAX.093-761-2332
MAIL ADDRESS. t-mekki@JSTeam.jp